最弱救世主とドS騎士


アレックスの誕生日が3日後に迫った。
つまりそれは
お城での舞踏会まであと3日という話である。

『来年はないから、今年は派手にしよう』
そんな不吉な言葉をアレックスに明るく言われて、私達のテンションは下がりまくる。

本物の舞踏会は見たいけど
いっそ自粛でもいいのでは?

そんな王様の言葉に『わかりました』とリアムは答えた。

お互いに本音を言わない、ケンカ前のカップルみたい。

お城も準備で忙しい。

城内は国民に解放されるし
遠くの国からお客様も来るし
3つの山のふもとの領主様達もお妃候補を連れてやって来る。
シェフは魔法でどんな料理を作ろうか考え
リアムとジャックとシルフィンは警備の打ち合わせで忙しい。
プレゼントも山のように届いている。

今日も私は魔法で勝手に動いている掃除用具に邪魔にされて、フレンドの部屋に追いやられた。

小姑のような掃除道具に負けてる私です。
でも
彼らの方が働いてるから仕方ない。

今日もフレンドの部屋で過ごし
彼女がお昼寝の最中に魔法の自主練習をしようとしていると

「邪魔かな?」って
アレックスが現れた。








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