最弱救世主とドS騎士
目の前が湯気でもやっとする。
滝のシャワールームというのだろうか
部屋のバスルームを大きくした場所に移動して、どこからか現れた数名のメイドさん達に私は服を脱がされた。
「時間がありません」
シルフィンの言葉が響き
私は身体を磨かれてからそのままベッドに倒されて全身マッサージ。
エステルーム?
高級ホテルで嗅いだことのある香りのオイルが身体に塗られ、すんごく気持ちいい。
ほぐれるー。
両手両足の爪を磨かれ
ヘッドスパされ
丁寧にヘアメイクをされたら
本当だ
もう夕陽が見える時間。
そして縦ロールお姫様ウィッグのせいなのか、魔法のメイクのせいなのか……誰これ感があふれてる。
大きな全身鏡の前に立たされてジッと自分を見ていたら、シルフィンが現れた。
「リナ様。なんて美しい」
「いやそれはないけど……確かに自分じゃないみたい」
「仕上げを私がいたします。王様の瞳の色と同じ、エメラルドグリーンのドレスにいたします」
シルフィンが大きく手を上げて
気合を入れて呪文を唱えて私にパワーのような軽い衝撃を与えると
鏡の中で
エメラルドグリーンのドレスを着た
品のある美しい
お姫様が立っていた。