ただ愛されていたかった

？？「おい！お前名前なに？？」

急に話しかけてきたのは、
隣の席のチャラそうな男の子だった。

茶髪で、髪をピンで×にしてとめている、
制服を着崩した男の子は、私をじっと見つめてきた。

私「え…えっと…私は、篠崎美結です。」

？？「しのざき…みゆ……よっし！おぼえた！！」

そういってその人は、にっと笑った。
その笑顔はまるで子供みたいで、
なんだか可愛いなって、思った。

琥太「ちなみに俺の名前！長谷川琥太(はせがわこうた)っていうんだ！！よろしくな！！」

琥太くんがそう言って私に手を伸ばした瞬間、
先生が教室に入ってきた。

琥太「あっ、やばっ、先生じゃん」


慌てて私たちは席に着いた。

先生が教壇に立ち、これから1年間よろしくと
毎年恒例の挨拶をしたあと、
私たちはもう1回目を合わせた。



これが、琥太との出会いだった。