そして、失恋をする
『好きってそういうことだから』

「……」

彼女のやることが常識外だったとしても、僕はもう千夏を止めることはできなかった。

『陸君は明日か明後日、学校休める?』

「学校に連絡さえ入れたら、休めるよ」

『なら、決まりだね。私は明日、病院を抜け出す。そして、陸君と外で会って君とデートする』

「え、ちょっといきなりそんな予定組まれても。僕はまだ明日、学校休むなんて言ってないよ」

『でも、今日を入れなかったら、私は後二日しか生きれない命だよ』

「何度も言うけれど、僕はそんなことは信じてないよ」

『ふふふ。でも、ほんとうに私の命が後二日で終わったら、きっと後悔するよ』

「………」

『私は、決めたから。病院から抜け出して、陸君と外で会って君とデートすることを』

彼女は僕にそう言い残して、千夏は勝手に電話を切った。



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