アローン・アゲイン
波に描かれた都会のシルエットを優しい眼差しで見つめる彼女は特に気にしていない素振りを見せてはいるが、僕の方から切り出すのを待っているのかもしれない。

「僕の得意な事って知ってる?」

「得意な事?」

「女の子を無事、約束の時間までに送り届けてあげる事さ」

「あなただって、変わってないわよ」

心の深い場所で癒された過去は、きっと今以上に彼女を素敵な女性へと変えてくれる。
僕はそう願い、笑顔の彼女を信じる事にした。
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