君と運命の恋をもう一度
こんなことを思い出したのは、あの日の様な雨の日だからだろうか。


しとしとと音がする、窓の外を俺はぼんやりと眺めながら、クスリと肩を揺らしたところに、柔らかい声が聞こえた。


「何を笑ってるの?」
あの頃の小さなマンションはもうない。
「出会った頃を思い出してた」
そう言って、側に来た君を俺は抱き寄せた。

あの頃愛し合った小さなシングルベッドはないけれど、大くなったベッドに君を引きずり込む。

「もう、起きないと仕事遅れるわよ」

そう言いながら、クスクス笑いながら、変わらず俺を優しく抱きしめる君。
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