うそつき
「果乃?どしたの?」


「んー?


あのね、私気づいたことがあるんだけどね?


眠たいなぁって気づいたの」



この言い回しはきっと寝ぼけてる。


うん、もう寝かせてあげよう。


一回寝てから勉強した方がいいだろうし。


僕は果乃の膝の裏に手を入れると、果乃を持ち上げてソファに寝かす。


果乃はソファがお気に入りなようで、勉強してる時以外は常にここにいる。


僕のお気に入りだった場所は果乃のお昼寝するばしょになってます。


「んー…、ふぁ〜」


果乃は眠たげにあくびをするとすやすやと寝息を立て始めた。


僕は果乃の頭を少し撫でてからタオルケットをかけてまたチョコ作りを再開した。


お菓子作りは分量大事だから、難しいんだよね。


苦手。



あ、お昼ご飯も作らなきゃ。



でもこのままだと果乃2時ぐらいに起きるよね…。


晩御飯も食べなきゃいけないし軽食にしとこうか。


本日の日中はチョコ作って、ご飯作って果乃起こしてご飯食べて、チョコ作って、ご飯作りました。


なんかね、家政婦してる気分。


そして夜。



夕ご飯の後に、デザートとしてチョコケーキを出してあげた。



「わぁすごい!美味しそう!」



果乃は嬉しそうに口を開け、ケーキを頬張る。


僕はそれを顎に手を置いて眺めていた。
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