うそつき
そう言って果乃は僕の首に巻きつくと、なんどもキスをしてくる。


どうにか果乃の動きを止めようと唇がくっついた瞬間に甘噛みしてみると、びっくりしたのかピタッと止まった。


止まった瞬間に巻きついている腕を振りほどいて、果乃を抱きかかえて部屋へ向かう。



「ん〜、もっと遊ぶ〜」


「はいはい、寝るよー。明日も勉強しようねー」



果乃はジタバタと暴れるから、なんども落としそうになる。



「暴れないの。僕力強くないから落としちゃうよ?」


「んー、もっと唯兎くんといる〜」


「大丈夫、一緒に寝るから」



果乃をベットの上に下ろすと、果乃の耳と僕の耳からピアスを取って机に置いた。


それから、僕もベットに入って布団をかぶる。



果乃のモコモコした部屋着から体温が伝わってくる。



「唯兎くん好き〜…」


「僕も好きだよ」


「えへへ〜、ちゅーして〜」



…この子はほんとにもう。


ベットの中でそんなこと頼むもんじゃないです。


僕は果乃の額にキスをすると抱きしめた。


「むぅ、お口じゃないの?」


「だーめ、それはまた明日」


「…唯兎くんのバーカ」


「寝ようね」


「…たーこ、意気地なし」


「違うから寝ようか?」


「…あーほ、女々しいぞっ」



どうしても口がいいらしい。
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