うそつき
受験生の子どもを持つ親の気持ちがもうわかってしまったよ。



中学の制服着た果乃めっちゃ可愛い。



これは、親バカかな?



果乃の受験が無事終わるか心配で気が気じゃない。


講堂は暖房完備がよく、地球温暖化に大きく貢献している。


講堂のステージの上には整備担当の生徒会や、有志らがマイクで話をしている。


何も聞いてないけど。


着ているカーディガンの袖を手を隠すように伸ばすと、両手をこすった。


不安で仕方ない。


こんな時間が50分も続くと思うと、体が2つに割れそう。


アメ1個じゃ足りなかったかな?


4つぐらい必要だったかもしれない。


お弁当はもうちょっと少なめにした方が良かっただろうか。


お腹がいっぱいで眠たくなったりしないかな?


不安が押し寄せる中、保護者向けに購買が開かれた。


時計は12時を回っていた。


果乃はあと二限終えたら、テストが終わる。


面接がないからそのまま講堂に来て保護者とともに帰宅だ。


一応、この学校推薦と言われるものもあって、


音楽知識が問われたり、実技で得意な楽器を演奏したり、歌を歌ったりというものもあった。



しかし、それは今年度、中学を卒業する人向け。


果乃は一年前に卒業しているから、推薦では通れないのだ。


実力はなかなかなものだけど。
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