うそつき
「まぁ、焦ってる部分もあるんじゃないかな?


『White liar』の女の子のうち、彼氏いないの咲良ちゃんだけだからね」


「月城さんは彼氏いるの?」


「いるよ?1つ下に。イケメンさん」


「そうなんだ」


「うん。かっこいいんだー。でもね、時々おっちょこちょいしてさー、そういうとこはめっちゃ可愛い」





それからテストが終わるまで、
僕は月城さんのノロケ話に永遠と付き合わされ、気づいたらとなりに果乃が立っていた。




「楽しそうだね。とっても」


「あ、果乃ちゃん。お疲れ様。私場内整備行ってくるねー」



そう言って立ち上がり僕の前から姿を消した月城さん。


残されたのは、楽しくおしゃべりしていた僕にご立腹の果乃。


「帰ろっか」


「ラーメン」


「あ、そうだった」


「唯兎くんのおごりね」


「ウィッス」



鬼の形相で僕を見下ろす果乃には流石に逆らえませんでした。


そのあと、ラーメンやさんで、テストがうまくいったぽいという話を聞いて、ぎょうざも注文した。


これまでのストレスを解放するようにやけ食いした果乃は2人前を食べ、家に帰ってすぐ寝ていた。
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