うそつき
家の鍵を開けて中に入ると鍵をかけた。



「ばれてるね」


「そうだね、僕ほんと何してんだろ…」


「いいじゃん。美和さん公認だよ?」



そんな楽観的に捉えていいのだろうか。


親にキスマークがバレてるんだけども。



「唯兎くん、私は唯兎くんのこと、大好きだよ?」



それでもいいか。


そう思った。


それぞれ、形式的なものは違う。


親にばれてようと、反対されようと公認だろうと。


僕たちは僕たちでいい気がした。


僕は果乃を座らせ、靴を脱がせると、部屋に上がって、果乃をベットに下ろす。



「唯兎くん…?」


「制服の女の子って、結構燃えるよね」


「えっ…」


果乃はベットの上で後ずさりすると、自分の体を抱く。


「嘘だよ。何もしない」


「な、なんだ。びっくりするじゃん」



果乃はホッとしたように息をついた。



すると果乃の携帯が音を立てる。


「美和さんからだ…。


今日はお友達のお家に泊めてもらうねって」



「前言撤回。何もしないは無理かもしんない」


「えっ!?」



「果乃、僕も果乃のこと好きだよ。大好き」



そういって僕は果乃の口にキスを落とした。



そしてこの前と同じように、首筋に顔を埋めると果乃の白い肌に赤い跡をつける。


「ちょ、唯兎くん?」
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