うそつき
これは…やりにくい…。


ガン見してくる。



「し、視線が痛い…」


「…え」



彼女はしゅんとして本棚から参考書を持って来た。


中学のやつか。



「…私も、一緒にする」



そう言って果乃は中1の教科書と参考書を開いて新品のノートを開けた。


一応義務教育だから、中学3年間の教科書とワーク、参考書等々は持っているご様子。



僕も、勉強しなきゃ。


ギターが…。



チラッと果乃の方を見る。


これが、2週間も続くと思ったら、先が思いやられる。


せめて足隠してくれないかなぁ…。


目がそっちに行ってしまう。


あぁ、もうっ!


ちゃんと勉強しなきゃ。



そんな葛藤が1週間も続いた。


テストの1週間は和馬の家で勉強してから、家に帰った。


じゃないと身がもたない、かわいすぎる…。




「2人で勉強してんの?」


「そ、果乃は中1の後半の勉強してたよ」


「ふーん。それは偉い。俺なら絶対やんない」


「んー、いい子なんだけどね?2人は流石に…」


「手を出したくなってしまうと?」


和馬を見るとニヤニヤとこちらを見ている。


「そんなストレートに言うなよ…」


「いや、そう言うことだろ?まぁ、可愛いんだったら気持ちはわかる。俺も柚月と2人なら出したくなるしな」
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