うそつき
「す、するよ?」


「…ん」


そういうと彼女は可愛く返事してノートの上にペンの先を置いた。



僕も、勉強しなきゃ…。



10分ぐらい経って、どうにも集中できないことになってしまった。


果乃が眠たくなったのか僕にもたれて寝てしまったから。


もう、どうしよ…。


今日は勉強しなくて、いいか。


ダメかな?


得意な教科だから赤点は取らなさそうだし、大丈夫、だよね?


可愛いだけでこんなことになるなんて…。


果乃を見たらみんな、こうなるよね?


だって可愛いし…。


振る舞いも女の子って感じで、ふわふわしてて、おっとりしてて。


学校に行けなくても勉強ちゃんとしようって努力するし…いいこだし。





好き、になっちゃっても、おかしくないよ…ね?





果乃は相変わらず僕にもたれたまま、すやすやと寝息をたてている。


この体勢って逆に辛くないかな…?


ベットに寝かしてあげたほうがいいよね…?


果乃の膝の裏に手を入れると、すっと持ち上げる。


軽っ。


ほんとに食べてんの?


動いてないのに、よくまぁこんなに細いよ…。


ベットに寝かすと布団をかけて、果乃のことをずっと見ていた。


ほんとに、天使、だよね。


寝ている果乃を見ていると、僕まで眠たくなってしまって。


気づいたら夢の世界に旅立っていた。
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