うそつき
「うん、いいけど」


「こ、ここではちょっと話しづらいから…隣の空き教室で待ってるね?」



顔を赤くしてそういうと、走って教室から出て行った。


まじか…。


早く帰りたいんだけどな…。


まぁ早く行かなきゃ。


余計帰りが遅くなっちゃう。



空き教室に行くと、彼女はすでにそこに立っていた。


まぁそりゃそうだよね、走って出て行ったんだから。



「話ってなに…?」


「あ、あの、あのっ!」


「う、うん」



彼女の気迫に負けそうになりながら話をしてくれるのを待つ。



「その…好き、なんです。


付き合ってくれませんか…?」



え…。


告白…?



「ごめん」



僕はとっさに断っていた。



「な、なんで…?好きな人いるの…?」



佐々倉さんは目を潤ませながら僕に聞く。



「い、いや…」


「じゃあなんで…」



そういうと、佐々倉さんは泣き出してしまった。


あぁ、どうしよ…。


「ごめんね、ほんとに」


「…付き合ってる人は…いるんですか…?」


「いないけど…」


「じゃあ…好きのままでいます…。私にもまだ可能性、ありますもんね…」


「いや、でも…」



多分、佐々倉さんの気持ちには答えられない。


そう言おうとしたら彼女は僕の目を見つめて、口を開いた。


「絶対、唯兎くんのこと落としてみせます!」



恥ずかしそうにそういうと空き教室から走って出て行った。



な、なんで…。
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