うそつき
すると果乃の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。


え、なにその反応…。


僕、期待しちゃうじゃん。



「…ち、ちがうのっ、そういうことじゃなくてっ」


「わかった、わかった。唯兎が可愛いのはなんとなくわかる」


「…でしょ?」


果乃は僕が可愛いと認められたことに満足したのか、またアコギを出して即興で弾き出した。


なにそれ、僕嬉しくない。



それでも果乃は陽気な音楽を奏でる。



嬉しそうならいいんだけど。



「あ、ご飯。作ってくる」


完全に忘れてた、やばい。


これご飯何時になるんだよ。



僕は台所へと走った。
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