うそつき
【果乃side】


寝ている唯兎くんはいつ見ても可愛い。


すやすやと寝息を立てて、気持ち良さそう。



そうっ!私はこれを待ってたのっ!


早く起こしたらまた寝顔見せてくれるんじゃないかと思って。


思惑通り、ふふふっ。



「可愛いなぁ…」



ほっぺたをふにふにとつまむ。



「…あの、恥ずかしいんだけど」


「…え…起きてる!?」


「それは流石に起きるでしょ!?


顔触られたらなんとなくわかるじゃん!?」



唯兎くんはほんのり顔を赤らめ、腕で顔を隠しつつそっぽを向く。



「次から絶対寝ない…」


「…えぇ」


寝顔を見る作戦は失敗のようです…。



「ほんとにもう…。普通寝込みを襲うのって男の方じゃないの?」


「…襲ってないもん…、ふにふにしてたんだもん…」


「まぁそうだろうけどさ。…あんまりこういうことしちゃダメだからね?」


顔を赤くさせたまま、私にさとす唯兎くん。



「…はぁい」



やっぱり、可愛い。


こんな可愛い子と一緒に過ごせるってほんとに素晴らしいことだ…。


やっぱ部屋から出れるようになりたい…。


もっともっと、一緒にいたい…。
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