うそつき
「…ねぇ、唯兎くん」


「ん?」


「…私が、みんなより一年遅れてでも、高校に入りたいって言ったら、応援してくれる…?」


「そりゃあ応援するよ?


それが果乃のやりたいことなら全力で」



そういって、ニッコリ笑う唯兎くんの破壊力は凄まじい。



「…じゃ、じゃあさ、その…

…お部屋から出れるようになったら、唯兎くんの部屋、行ってみたいな…?」


控えめに首をかしげると、唯兎くんは目を見開いて顔をほんのり赤くし、手でを口を隠した。



「それは反則だろ…」


「…ん?…なんて?」


「い、いや、いいけど…」



そっぽを向いてぼそぼそと答える。


なんで、目、みてくれないの?


ぷくっと膨れると、唯兎くんはそれに気づいたのか、私の頭に手を置いた。


「……待ってる」


ボソッと発した言葉は私にも届いた。


「〜〜っ」


多分、絶対、私の顔赤いよ…。


もう…。


いじわる…。


なんだか、私もいじわるしたくなってしまって、唯兎くんに抱きついた。



「あ、ちょっ、離れなさいっ」


そう言って私のことをひっぺがす。


「…むぅ」


わざと拗ねて見ると、今度は頭を抱えた。


「まじで、ダメだって…」


「…ん?」


「もう…。自分が女の子ってことを理解しようか?


そして僕が男ってことも理解してね?」
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