うそつき
…誰だそんなガセネタ流したのは。


僕そんな運動できるタイプじゃないんだけども。


女の子の輪に近づいて声をかける。



「僕そんな運動神経良くないからね?」


「あ、唯兎くん、今日も可愛いね」



ちがーう…。


「でも、走るのめちゃくちゃ速いって」


「それ、誰のガセネタ?僕、運動苦手なんだけど」



そういうと、女の子たちの周りにお花が咲いた。


「か、かわいい…」

「萌えだ…」

「ほんとに…可愛い」


なんだこりゃ。


「そっかそっかぁ〜、それじゃあ唯兎くんは私たちと一緒に綱引きしよ〜」


結局僕は足手まといと判断されたのか、女子たちと一緒に綱引きに入ることになった。


うん、虚しい。


ちなみに和馬は100メートル走、千都は選抜リレーで素晴らしく花型だ。


やだずるい。


僕もそっち…行くほど運動神経良くないや、諦めよ…。


「綱引きの練習はどこでするの?」


「あっちだよーいこー」



見てると含まれてる男子は僕だけのようです。


うわぁ劣等感。


辛…。


つ、綱引き…。



1時間、女子たちと綱を引き、僕は家に帰った。
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