うそつき
「…あの」



さっきから思ってたけど声ちっちゃいな…。



可愛いけど。



声優さんみたい。




「…あの…っ」



「あっ、ごめん!なに!?」



「あっ…えっと、その…城ヶ崎果乃です」



「あ、うん、真宮唯兎です、よろしくね?」



「…はい」



そういうと、彼女は布団の中に潜り込んで出てこなくなってしまった。



これは…帰れってことかな?



帰ろうかな?



帰るね?



「帰るね?またそのうち来るよ」



「…はぃ」



小さい声だったけど聞き取れたからセーフかな?




そう思いながら、僕は彼女の部屋を出た。



部屋を出て、リビングに戻ると、母さんがお茶を飲んでいた。



「あ、どうだった?果乃ちゃん。可愛かったでしょー?」



「目から上しか見てないよ」



「あー、出て来てくれなかったのね。男の子苦手らしいから」



「ふーん…」



やっぱり、そうだよね…。



不審者って男の人だろうし。



これは難しくなりそう…。



僕は冷蔵庫から母さんと同じお茶を出して、自分の部屋に帰った。
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