うそつき
「ていうか柚月。果乃ちゃんのこと知ってんのか?」


「は?知ってるもなにも果乃は『White liar』結成時のボーカルよ?幼馴染だし」


「え、なにそれ聞いてない」


「言ってないもの。そもそも果乃と知り合いだとは思わなかったし」



そう悪びれもなくいうとしれっと僕のスマホをパクって、メアドの登録をしていた。


「果乃とあなたが空いている日、教えなさい。会いに行くわ」



謎の女王様気質が発揮されています。


脅されているようです。


とりあえず、果乃に電話をする。



『…もしもし』


「あ、もしもし?果乃?あのさ、木下柚月が果乃に会いたいって言ってるんだけど」


『…柚月がそこにいるの?代わって…?」



果乃がそういうからスマホを柚月に渡す。


「もしもし果乃!?久しぶり!!元気してる!?


大丈夫!?この卑劣な男に変なことされてない!?」


…僕のことなんだと思ってんだよ。


10分ほど喋っていただろうか。


話が終わって柚月はスマホを僕に渡した。



「2週間後の土曜日、昔からのバンドのメンバー連れてあんたの家に行くわ。チーズケーキを用意しておきなさい」


それはお前が用意しろよ。


とは言わずに、



「…ハイ、リョウカイッス」



そんなこんなで体育祭は知らないうちに幕を閉じた。


優勝、したらしい。知らないけど。
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