うそつき
「大丈夫大丈夫、一緒に寝るから」


「…ほ、ほんと?」


「うん」



すると果乃はホッとしたように微笑んだ。



予報では夜中からカミナリが鳴り始めるらしく、果乃はビビって夕方にお風呂に入っていた。


そして、僕がお風呂から出てきて果乃のいるリビングに入った途端。




ガッシャーンっっ!!



なんの前触れもなく、カミナリが落ち、家が停電した。



「え、ちょ、嘘でしょ??ゆ、唯兎くん…!!」



果乃はパニックになるほど焦っていて、手にスマホを持っていることすら忘れている様子。


「果乃」


僕がスマホの画面をつけると、少し安心したように、僕に飛び込んできた。


「ゆ、いとくん…っ」


「大丈夫大丈夫。そんな泣かないの」



5歳児を相手している気分で果乃をなだめる。


そのまま果乃を抱きかかえ果乃の部屋まで運ぶ。



果乃をベットの上に下ろすと、果乃は離れたくないと言うように僕の首に巻きついた。



「やだ…行かないで」


「大丈夫、どこにも行かないから」



意外と僕、しっかりしてません?


まだ理性が切れるようなことも起こってないし。


このままいけば、ちょっと眠れないぐらいで夜が明かせる。


「一緒、寝るの…」


「大丈夫だから。ここにいるよ?」
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