うそつき
本当にパニックになっているのか、いつも返事にかかる空白の時間が今はない。


果乃をベットに寝かせると僕も一緒に布団に入った。


「どこにも、いっちゃ…やだよ…?」


そう言って、僕に思いっきり抱きついてくる。


いつもと比べ物にならないくらいしっかりと。




そのせいで身長の割にはなかなかある胸を認識してしまった。





あぁもう無理。


僕には刺激が強すぎる…。




「唯兎くん…私より先寝ちゃ、ダメだよ」



泣きながらそう言うもんだから、暗闇でも上目遣いでこっちを見てるいるような気がしてならない。


本当に、もう…。



「ちょっとでいいから、手緩めようか」


「む、無理!」



違う!僕が無理!!


そんなこと言えるはずもなく。


僕はそのまま諦める。


果乃も徐々に落ち着いてきたのか、むにゃむにゃ言って寝てしまった。


本日も長ーい夜になりそうです。
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