うそつき
唯兎くんが襖を開けると、柚月がすごいスピードでぶつかって来た。



危うくこけかけたところを唯兎くんが助けてくれる。


パッと唯兎くんの方を見るとニコッと笑っていて。



ドキッ…




っ…、なにこれ…。


「果乃!!久しぶり!!」


「あっ、久しぶり!!」



…なんだったんだろ、今の。



「めっちゃ元気じゃん?」



柚月の陰からひょこっと顔を出したのは咲良。



「さ、咲良!え…身長伸びてる…」


前会った時は私よりちっちゃかったのに…。


140センチぐらいしかなかったのに…。



「えへへー、伸びたんだぁー!今は155はあるね」


「むぅぅ」


「果乃はちっちゃいままだねー」


「5センチ伸びたもん!」


「それでも私より15センチは低いね」


そう言って柚月は私の頭に手を置く。


「柚月がおっきいんだよ!」


あからさまに160はあるし…。


唯兎くんでさえ、男の子なのに170ないんだよ!?


165ちょいしかないのに!!


なのにみんなおっきいよおお!!



…そういえば、唯兎くんは?


ふと、部屋を見渡すと唯兎くんは消えていた。


ん?どこ言ったんだろ。



すると襖が開いて、唯兎くんがお茶とお菓子を持って帰ってきた。
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