うそつき
昔、父さんと一緒にここで録音したっけ。
あれがしれっと父さんのCDに差し込まれてるんだよね。
買ってくれた人たちが弾きかたが違うとネットで湧き上がったのを覚えている。
「わぁ…すごい…」
声を出した果乃の方をチラッと見る。
僕の隣で『圧巻』とでもいうように口をあんぐり開けていて、可愛らしい。
「これ、全部手入れとかされてるの?」
「うん、調律もしてあるし。音はちゃんとなるよ?」
「触ってもいい?」
「うん」
そういうと果乃は嬉しそうにグランドピアノの方へ走っていった。
そして、椅子に座ってふぅっと息をつくとどこから出したかわからないタブレットを置いて楽譜を表示した。
「それ、持ってたっけ?」
「ん?美和さんがお下がりくれたの。データ初期化したから使っていいよーって。バッテリーはあまりないらしいんだけど使い勝手はいいよ?」
果乃は一気に喋ると、楽譜を見ながら音を奏で始めた。
あ…これ…。
この間、僕が即興頑張ったやつだ…。
綺麗な音色が部屋中に響く。
優しい曲調に仕上がっていた。
「これね、めちゃくちゃ評判よかったの。
SNSでも先月あげた曲なのにまだ廃れてない」
そう、なんだ…。
ちょっと嬉しいかも。
あれがしれっと父さんのCDに差し込まれてるんだよね。
買ってくれた人たちが弾きかたが違うとネットで湧き上がったのを覚えている。
「わぁ…すごい…」
声を出した果乃の方をチラッと見る。
僕の隣で『圧巻』とでもいうように口をあんぐり開けていて、可愛らしい。
「これ、全部手入れとかされてるの?」
「うん、調律もしてあるし。音はちゃんとなるよ?」
「触ってもいい?」
「うん」
そういうと果乃は嬉しそうにグランドピアノの方へ走っていった。
そして、椅子に座ってふぅっと息をつくとどこから出したかわからないタブレットを置いて楽譜を表示した。
「それ、持ってたっけ?」
「ん?美和さんがお下がりくれたの。データ初期化したから使っていいよーって。バッテリーはあまりないらしいんだけど使い勝手はいいよ?」
果乃は一気に喋ると、楽譜を見ながら音を奏で始めた。
あ…これ…。
この間、僕が即興頑張ったやつだ…。
綺麗な音色が部屋中に響く。
優しい曲調に仕上がっていた。
「これね、めちゃくちゃ評判よかったの。
SNSでも先月あげた曲なのにまだ廃れてない」
そう、なんだ…。
ちょっと嬉しいかも。