うそつき
それで、自分を理由にしてネット界隈で僕を認めさせようとしてるんだ。


そっか…。



この子は、ただ、優しくていい子で、でもちょっと不器用なだけだ。



「…仕方ないな。作るだけだよ?歌わないからね?」



「ほんとに!?いいの!?…ハモリぐらいしてくれてもいいよ?」



「それはやだ」



「ちぇーっ」



そういうと果乃は地下室をくるっと見渡して、録音室の隣にもう一つ部屋があることに気づいた。



「ねぇ、あの部屋は?」



「ん?パソコン置いてあるんだよ。編集とか絵あてたりするのに使う」



「使っていいの?」



「いいよ?まだ新しいパソコンが初期設定だけで終わってるやつあるはずだから」



そう言ってドアをあけパソコンの前に立つ。


スイッチを入れると、しばらくして立ち上がった。


すると果乃はメガネを取り出して、パソコンに向かった。


あぁ、母さんが果乃に買ってあげたやつか。


ブルーライトは体に良くないって言ってかってあげてたんだっけ。


そして果乃はSNSで自分のアカウントにログインすると、投稿画面を開いた。


『今日からお仲間さんと曲を作ります!
お仲間さん、まだ名前決まってないから募集したいな。可愛いタイプの犬系男子だとおもってくれたらいいよ!!
期待してる((((((*'ω'*≡*'ω'*≡*'ω'*)))))』
< 59 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop