うそつき
────あれから数時間。



夜になって、ご飯を食べたあと果乃の部屋で名前決めなうです。


えっとね、みんなすごいね、うん。


『わんこ』『忠犬』『犬』とかなかなかなものを出してくれてます。


まぁ真面目に考えてくれてる方もいらっしゃるんだけども。


「あ、これなんかどう?『わたあめ』美味しそうじゃない?」


「僕食べられるの?」


「あ、じゃあこれは?『雲』ふわふわだね」


「水じゃん」



スクロールしていく果乃のパソコン画面を見つめる。



「んー、ピンと来るやつないなぁ…」



そう言って果乃はスクロールし続ける。


このスピードは絶対見えてない。



「んー、それじゃあ唯兎くん『うさぎ』ね」


「適当だね」



そして果乃は『うさぎ』というのが気に入ってしまったのか、そのまま『うさぎ』でSNSのアカウントを作った。


うん、なんだろ、女の子じゃん?


いいけどね?



「唯兎くんスマホ貸してー。ログインするー」


ぼくがスマホを差し出すと、果乃の指が僕の手に少し触れた。


柔らか…。


「ありがとー。んっとね、1日一回はツイートしてね?あと、私のアカウントでリツイートしたいからツイートしちゃうね」


「ほう…」



そのあともつらつらとしゃべり続け、しゃべり終わったらふぅっといって、僕をほっておいて寝てしまった。
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