うそつき
咲良には、



「果乃が唯兎くんみたいなのがタイプだと思わなかった。私ちょっと本気で狙ってたのに」



千都には、威圧した目で


「…ふーん」


と言われ。



千都が睨んだら、ほんと怖いんだからね？



まぁ、それのせいで僕の扱いは日に日に悪くなり、今の感じに至るのである。



柚月は元から僕のこと適当に扱ってるけども。







「果乃を無理矢理外に出すなんてしたくないんだけど」


「人にはやらなきゃいけない時が来るの。果乃の場合それが今なだけ。


だから、協力してちょうだい」



なんで、このタイミングなのだろう。


文化祭だってあと1週間後。とても1ヶ月じゃ間に合わない。


だからといって1ヶ月後なにがあるかといったら、なにもない。


イベントもないし、ライブだってない。


果乃が推してる歌い手さんの握手会があるわけでもない。


なのに、なんで今なんだろう。



何か、あったりするのだろうか。



「とりあえず、頑張ってちょうだい。期待してるわ」



「う、うん」



「唯兎。柚月の言うことは絶対だぞ？」



「わかってるよ…」



最後に和馬が小言をこぼして2人してどこかへ行ってしまった。



なんで、今なんだろう…。



結局、柚月の威圧に負けてオッケーしちゃったけど…。
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