うそつき
「んー…」



目を覚ますと日が高くなって廊下は暗く、影になっていた。


隣を見ると果乃がいない。



ん?待って、あの子中庭にいない?



僕の視線の先には少し背の高めの木が。



そこに向かってジャンプ、背伸び、してるのは…果乃だよね?



すごい…。



ちゃんと外に出てる…。




果乃の視線の先を見ると子猫が。



あぁ、迷い込んじゃったのか。



たまにここに来る子猫だよね。



助けようして、思わず外に出ちゃったのか。



結果オーライですね。



果乃の方へ向かおうと立ち上がると、急に子猫が木の上から飛び降りて果乃の上に落ちた。



「きゃっ…」



果乃はずてんと尻もちをついて、子猫をキャッチした。



は?え?



だ、大丈夫かな?



あそこ、あんまり整備されてないから石とかもゴロゴロあるし。



僕は焦って果乃に駆け寄ると、果乃は涙目になっている。



「だ、大丈夫…?」



「い、痛い…。可愛い…」



果乃は抱いている子猫に顔を埋めてもごもご言っている。



どうやら大丈夫っぽいね。
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