うそつき
初めてだった。



それから私は千都と付き合い始めた。



毎日が幸せだった。



彼氏ができたことで、姉さんに勝ったような、そんな気分になれた。



千都を、利用してしまった。



私の自己満足のために。








バスケ部だった千都のために私はバスケ部のマネージャーになった。



だから毎日一緒に帰っていた。



その日も、いつもと同じように並んで帰っていた。



すると、後ろから私の肩に手を乗せた人がいた。



振り返ると姉さんだった。



「あ、あやちゃん、帰り?」


「そうだよー、今日はねー、新記録出てねー。果乃に速く伝えたくて追いかけて来たんだー」


姉さんは陸上部の選手だった。



「そっか、おめでとう」



素直に嬉しかった。



私にはこのころ心の余裕があったんだと思う。



でもね、やっぱり。



姉さんに千都だけは取られたくなかった。




「千都は私のこと、褒めてくれないの?」



「ん?おめでと」



「ありがとう」
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