先輩、いいでしょ?



天気予報が雨だから、延期するんだよなあ…


だから一回授業をはさんじゃうんだよーーーー



『一度教室に戻り、HRを行ってくださいー

美化委員は昇降口に集まってくださいー


美化委員じゃない人はまだ座っていてくださいー』




そんな感じで体育教師が説明する。  



美化委員が集まるのは、椅子の足を綺麗にするためだろう。



今座っている椅子は教室でも使うから、ふかなきゃいけない。



本当は授業挟まなければそんなことしなくてよかなかったけど、


雨のせいで授業があるから美化委員の方々がこんな事をしなきゃいけなくなったんですよねえ



「ねえ工藤ちゃん(小声)」


「なによ千葉」


「木下先輩は何委員なのかな(小声)」


「入ってないんじゃない」


「ちょっと!隣にいるんだよ(小声)」
 


そう、思いっきり近い!小声でも聞こえそうだ……


「騒いでるし聞こえないでしょう」


「くどうちゃん……」



ちらっと木下先輩の方を見てみよう。







はい思いっきり目が合いましたねどうしましょう



そんなことを思いながら顔を工藤ちゃんの方に戻す。



「工藤ちゃんっ!」



もし話しかけられてなんでこっち向いてたのなんて聞かれたら困る。
 

話しかけられても、まあ嬉しいけど聞かれたら困るから!


まあそんなことあるはずないけど!

工藤ちゃんに任せる!なので抱きつく!




「ちょっと千葉なにやってんの」


「なにも!工藤ちゃんだいすき!」


「あ、ごめんなさい。木下…先輩ですよね?

この子ちょっとうるさいですよねすみませんー」



なにこっちからはなしかけてんのーーーー…あああああああどうしようーーー


しかもうるさいって…ひどいよーーーー



「はははは、なんか話しかけられちゃったんだけどーーはははは!

大丈夫ー木下で合ってる。あと、うるさくないから平気ー。」


きゃーーーーうるさくないって!!どんだけ紳士?!

けどなんか異常に笑ってるーー…なんで?!?!


「あー、ほんとですかー優しいんですねー」

「ははっ、そうでしょー。やさしいでしょー」


混乱状態で何も言えない私を置いていくこの人たち。

なんて無慈悲。


そこで、木下先輩の友達と思われる人が木下先輩の後ろから顔を出す。


「おー、木下1年としゃべってんのーー?ごめんねー、こいつばかでうるさいでしょー。」

「いえー、木下先輩優しいですよー」

「工藤ちゃんって大人だね!すごい!」

「じゃあ俺らが子供的なー??ははは、」

木下先輩は子供じゃないですよ!!!!


あ、一応木下先輩の友達も?

また笑ってる!木下先輩、、なんか可愛い、、


ていうか、友達の方名前なんだっけ。聞いてなかったよね???もし聞いてたら失礼だよね…。


それ以前に木下先輩に名前も覚えられないくそやろうだって認識されちゃうよ!!!!


それだけはいやだーーーーー!!!


でも名前わかんないと…。もう!聞いてないにかけるわ!!!

ずっと知らない方があれだわ!!


「あの、いってたらすみません。木下先輩の友達?さん名前教えてくれませんか?」


よし言った!言ったぞ!先に謝ったぞ!!

絶対木下先輩にできる子だって思われた!!うれしい!!


木下先輩の友達さん座高高いっぽくて上目遣いっぽくなったけど木下先輩にしてないからまーセーフでしょー!!


ぶりっこってあんまり思われたくないしー!!!
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