思い出はきれいなままで
「加納さん?」

「あっ、すみません!」

そんな事を思って、ぼんやりとしてしまっていたのだろう、慌てて謝罪をすると、テーブルに置かれたタブレットに目を落とした。

「こっちが、私のスケジュール、そしてこっちが取引先。あるていど室長から午前中聞いていると思うけど、主にスケジュール管理や、取引先との対応、資料作成などを主に頼むことになると思う」

私はタブレットを操作しながら、分刻みの社長のスケジュールを確認した。

「かしこまりました」
「この内容は、君のパソコンからも見られるから、使いやすい方でやってくれればいいから」
その言葉に、私は頷いた。

「そして、ここのファイルが今商談中の企業。こことコラボしてレシピや更には生活スタイルの提案をしていきたいと思っているんだ」
すごい!可愛らしい雑貨やインテリアが並び、そこに料理が並ぶ写真に目を奪われた。

「この件の資料や情報の収集も頼むよ」
「はい!」
料理もインテリアも大好きな私は、わくわくしながらタブレットを操作していた。

クスリと笑い声が聞こえ、私は顔を上げた。


< 7 / 35 >

この作品をシェア

pagetop