飴と傘
「あれ? 飯倉さん、どうしたの?」
ドアを開けると、ピアノに向かっていた係長が振り向いた。鉛筆を手にしている。譜面台には五線譜。思った通り、編曲作業中だ。
「三田村さんに傘を届けに」
「今日も遅くなるって?」
ほぼ定時退社の私たち総務と違って、財務課の響は忙しい。
「はい。あの、係長。もし良かったらこれ、差し入れです」
紙袋を差し出すと、係長が覗き込んだ。
「何? 飴? こんなに沢山、どうしたの?」
「引菓子の候補なんです。余りもので恐縮なんですけど」
ドアを開けると、ピアノに向かっていた係長が振り向いた。鉛筆を手にしている。譜面台には五線譜。思った通り、編曲作業中だ。
「三田村さんに傘を届けに」
「今日も遅くなるって?」
ほぼ定時退社の私たち総務と違って、財務課の響は忙しい。
「はい。あの、係長。もし良かったらこれ、差し入れです」
紙袋を差し出すと、係長が覗き込んだ。
「何? 飴? こんなに沢山、どうしたの?」
「引菓子の候補なんです。余りもので恐縮なんですけど」