ラッキーナンバー
《第1章》
プロローグ
中学3年生の夏
高校の見学会に来たのはいいけど…帰ろうとしたら外はどしゃ降りで
寝坊して焦って家を飛び出してきた私は、当然天気予報なんて見てなくて
『あー…さいあく…傘忘れた』
友達は親と先に帰っちゃったし
そのまま走って帰ろうと思ったその時
『はい』
声がして振り向くとそこには傘を私に向けてニッコリ微笑む男の子
『えっ…?えっ?』
『お互い頑張って受かろう、傘はその時返してくれたらいいから』
『………あっ』
男の子はじゃあと言って去って行ってしまった。
私は男の子に見とれていて何も言えなかった。
これが…一目惚れというやつでしょうか。