ラッキーナンバー
 


「あのね、志築くんのために1番おいしそうなリンゴ選んできたんだよ!店員さんにちゃんと聞いて…」



って何を言ってんの私!

そんなこといちいち言わなくていーのっ



「あー今の嘘っ、ほんとは家にあったやつで志築くんのために買ったわけじゃ…「ありがとな」



ふわっ、と志築くんが笑顔を見せる。



「え」



そんな顔、見たことなかったからビックリして、なんだかドキドキして…

思わず、下を向いた。



「……なんで下向くんだよ」

「べっ、別に」

「ならこっち向けよ」

「なっ、なんで、別にいーじゃんっ
床見るが好きなの、ほっといて!」

「意味わかんねぇ…」



だって、急にあんな顔するんだもん

お礼なんか言うんだもん

あの、志築くんが。



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