ラッキーナンバー
 


「…お前、なんか今日かわいい」



唇が触れるか触れないかの距離で、志築くんがそう呟いた。

そこで私はボッと顔を赤くし、ハッと我に返って

志築くんに顔まですっぽり布団を被せた。



「やっ、やっぱ変!そんなこと言うなんて!!寝な!!!」



そして、帰る!と一言叫んでから部屋を飛び出た。


早足で帰り道を歩きながら、パタパタと手で顔をあおぐ。



もしかしてあの時、ほんとは唇同士、触れてたのかもしれない。

だって、口から志築くんの熱がうつったみたいに、身体中が熱い。



「あー!なんで!?」



意味わかんない、なんで?

私が好きなのは、くるめくんのはずなのに

一筋のはずなのに

他の男の人に、よりにもよって志築くんに、こんなにもドキドキしてるのは、なんで?



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