ラッキーナンバー
悪魔様といっしょ
「ゲホッ、ゴホッ…ゴホゴホンッ」
「大丈夫?和音」
絶えず咳をしている私を心配して、茉莉華が聞く。
「だっ…大丈夫…ケホッ」
口ではそういってみるものの、やっぱり少しきつい
私が今こんなに苦しい思いをしているのは、きっと…いや間違いなく
後ろで呑気に寝ているこの男、志築聖斗のせい!!!
あの日お見舞いなんかに行ったせいで、私に風邪がうつっちゃったんだ!
私は後ろを振り返り、ギロリとそいつを睨みつけた。
―パチパチパチ
教室中に拍手の音が響く。
何のことかと再び前を向き直せば、先ほどみんなで話しあっていた学祭でやるクラスの出し物が決まったみたいだった。
「えー、じゃあ
うちのクラスは焼きそばに決定…あ?たこ焼き?焼き肉だっけ?」
先生はあくびをしながら委員長にたずねる。
「焼き鳥です、先生」
「あーそう、それ。
つーわけで各々適当に協力して頑張れよ」
まるっきり生徒に協力する気のない先生は、そう言うとそそくさと帰ってしまった。