ラッキーナンバー
 


これからの指揮すべてを任された委員長は、ハァと短くため息をついてからまた話を進めた。



「えーと、じゃあ引き続き役割と、午前午後決めたいと思います…」



ほんと、うちのクラスの委員長はしっかり者でよかったよ。

うんうんと感心していると、茉莉華が話しかけてきた。



「ねぇねぇ、和音知ってる?」

「なにを?」

「ここの後夜祭、すごく綺麗な花火で有名じゃん」

「え?そうなの?」



知らなかった…

でも、花火かぁ…楽しみっ!



「それで話はこれからなんだけどね…」



そう言って茉莉華は少し声のボリュームを小さくした。



「その花火が打ち上げられる瞬間に、キスした二人は永遠に結ばれる、っていう噂があるの」



キャーキャー一人でハシャギながら、茉莉華が言う。



「永遠に…?」

「そう、だから学祭当日は二人で回って、後夜祭はお互い好きな人と一緒に回ろ?」



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