ラッキーナンバー
それからハァーと長いため息をついて、アキくんが言った。
「茉莉華ってさ、本気であの男と付き合ってんの?」
茉莉華の…こと?
「だっておかしくねぇ?似合わねーだろ、茉莉華に」
確かに、私も似合わないと思うけど
「自分で"女の子に優しい人っていいよね"とか言ってたくせに…
あんな男優しさのカケラもねーよ」
「どういうこと?」
だって茉莉華は優しいって…
「あいつ、気に入った女と適当に付き合って、飽きたら捨てて
常に彼女コロコロ変えてるって噂」
典型的な、チャラ男ですね
「それ、アキくんよりたち悪いね」
「だろ?俺より…って、だから俺はちゃんと女の子に優しくしてんじゃん」
「えー?ほんとにぃー?」
だって、茉莉華より他の子優先するじゃん
「誘われても絶対断んねーし、みんなに平等に接するために彼女つくんねーし、それから…」
指を折りながらアキくんが言う。
「…ちゃんと、優しくしてんのにな」