ラッキーナンバー
あ…もしかしてアキくんは
"女の子に優しい人っていいよね"
って茉莉華が言ったことを、いつも意識して…
「もしかしてアキくんってさ」
「ん?」
アキくんも、茉莉華とずっと同じ気持ちだったのかもしれない
「ううん、茉莉華はさ…一人に優しくして欲しいってこと、言ってたんじゃないのかな」
「えっ」
自分だけに、優しくしてくれる人
「それって…」
「さ、戻ろっかー
みんな捜してたら困るし」
今ならまだ、間に合うかもしれない
中山くんには悪いけど
茉莉華が好きなのはきっと今も、アキくん一人だと思うから…
「あー!アキ一人?」
校舎の中に戻ろうとした時、女の子が窓からアキくんに向かって叫んだ。
どうやら女の子には私の存在が見えてないみたい
「んあ、いや…」
「ねぇ、暇ならうちらと回ろーよ」