ラッキーナンバー
あれ?
「じゃーな」
「まっ、待って…!」
さっき、志築くん何て言ったっけ?
『お前は本当にぶさいくだな』
―お前は本当にかわいいな
『だから、俺お前のことすげー嫌い』
―だから、俺お前のことすげー…
「好き、なの…?私のこと…」
言葉を嘘に置き換えて
聞く
「嘘だよ」
―本当だよ
「…………っ」
顔が、赤くなっていくのが自分でもわかった。
"嫌い"って言われて、照れてるのはきっと世界中で私一人だけな気がする
どうして?
胸の締め付けが軽くなった
「お前、顔っ…」
「ははっ、なんでかな、急に熱くなって…」
パタパタと手で顔をあおぎながら下を向く。
志築くんの影がだんだんと近づいてきて、私の前で止まった。
「わ「和音ー!!!」
懐かしい声に、ハッと顔を上げる。
思ってた以上にすぐ近くにあった志築くんの顔から目を反らし、声のした方を振り返った。
「隆…!!!」
「久しぶり、和音」
そこには懐かしい旧友の姿があった。