ラッキーナンバー
初恋の思い出
「転校生の…っと、名前なんつったっけお前?」
黒板の前に立ち、先生の横に並ぶ転校生
「やだなぁ先生、隆ですよ、高嶋隆(タカシマ リュウ)」
「あー、だってよ
お前ら仲良くしてやれよ
つーことでお前の席はアソコ」
面倒臭そうに先生が奥の空いている席を指差す。
「えー、俺和音の隣じゃねーのー?」
ぶすっとほっぺたを膨らませて先生に抗議する隆。
「勝手に誰かと交渉して変わってもらえ」
「わかったー」
先生と話がついたらしく、隆が笑顔でこちらに向かってくる。
クラスのみんなも隆の動きを目で追う
隆が茉莉華の目の前で止まるから、必然的にみんなの視線も茉莉華に集まった。
「ねーねー
君さ、俺と交換してくんないかなぁ、席」
「えっ…」
茉莉華は戸惑いながら、視線をこちらに向けて私に助けを求める。