ラッキーナンバー
「あー、じゃあ後ろの寝てる人でいーよ」
そう言って隆が最後に話しかけたのは志築くん。
「あ、この人なら私も変わっていいと思う」
「…おい、何勝手なこと言ってんだよ」
私の発言で起きたらしい志築くんは、目を細めて私を睨みつける。
「あーーー!!!」
隆が、突然志築くんを指差して叫んだ。
「昨日和音にちゅーしようとしてた奴だーっ!!!」
「「はぁ!!?」」
ちゅ…チュー!?
志築くんが、私に!?いつ!?
「おっ、お前何言って…!」
「だってすっげー近かったじゃん、ありゃ俺が行かなきゃ確実に肩に手ー置いてぶちゅーだったな」
うんうんと頷きながら言う隆に、教室がざわつく。
「てめっ!!
話作ってんじゃねぇ!!!」
「そっ、そうだよ!変な噂たったらどーしてくれんの!?」
私と志築くんは必死に否定した。
「和音、そんなことあったなんて私聞いてないよ?」
なぜか嬉しそうに言う茉莉華
「だから実際なかったんだってそんなこと!」