ラッキーナンバー
 


ちょっと…待ってよ

鞄を持って席を移ろうとしている志築くんの背中をキッと睨みつけて立ち上がる。



「私のこと、嫌いって言ったじゃん!」



そんなこと言うつもりなんかなかったのに、気付いたら口にしてしまっていた。


でも…だって、言ったんだもん

私のこと嫌いだって、好きだって

それは十分、断る理由になるんじゃないの?



「和音、なに言ってんの?」



首を傾げながら隆が私に聞く。



「なっ、なんでもないっ」



その瞬間、ハッと我に返って自分の席に着いた。



「和音…?」



ほんと、何言ってんだろ自分

別に、後ろに志築くんがいなくたって悲しくない、むしろせいせいするんだ

いいじゃん、別に

なのに何、どうしちゃったの私



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