ラッキーナンバー
「そうかなぁ?
あれ見てもそう思う?」
「"あれ"…?」
茉莉華が指差した方向では、男子がサッカーの授業をしていた。
その中で、隆はこちらにぶんぶんと手を振りながら大声で叫んだ。
「和音ーっ!!
がんばれよー!!!」
…ったく
誰のせいで走らされることになってると思ってんの。
それに、男子はないなんてずるい。
叫んで抗議をするのも面倒だから、返事代わりに小さくひらひらと手を振った。
「うぉーっ
今の見た?和音が俺に手ぇ振った!超かわいくね?」
そういって隆が隣にいた男の子の肩をバシバシと叩く
当然、男の子は苦笑い
てか…
かわいいって…
「どう?」
茉莉華がもう一度、私に聞く。
「うーん…でも、もし隆が私のこと好きだったとしたら、お別れの時に何かあってもよかったんじゃないかな…?」
もう、一生会えなくなるかもしれなかったのに
あの日、隆は私に何も言わなかった。
いや、正確には何かを言ってたんだけど…