ラッキーナンバー
 


あの日、俺は今日こそずっと好きだった和音に告るんだって、気合いが入ってたんだ。

和音を呼び出して、勇気を振り絞って言った。



『俺…さ
ずっと和音のこと好きだったんだ。
だから、俺と付き合って欲しいんだっ!!!』



少しトラックの音がうるさかったけど、きっと俺の想いは和音に届いたはずだ!

俺はそう、思ってたけど

肝心の和音の答えは…



『ごめん』



―ブロロロロ…



『ないから』



―ブォン ブオン



『行って?』



惨敗…だった。

つーか"ない"って、恋愛対象外っつーこと!?










「だから俺は、絶対カッコよくなって、もう1回和音に告白するって…「え、ちょっと待って」



過去の思い出を語り終えた隆の、次の言葉を制止する。

だって…私……



「そんなこと、言ってない」



だって私だって、隆のことが好きだったんだから。



< 150 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop