ラッキーナンバー
きっと頭の中では気づいてしまったんだ
ただ、私の理解が遅すぎるだけで。
たぶん、私は志築くんのことが…
「好きな人の顔」
好きになっちゃったんだと、思う。
「ん!じゃーもしそいつとうまくいかなかったら、次俺ね
2番目には俺のこと想像しといて」
そう言って隆がにいっと笑う
「ごめんなさい」
「えー!まじで!?」
「嘘、考えとく」
私もお返しに笑い返すと、隆はまた"かわいい"とか恥ずかしいことを言ってきた。
それから隆は時計をちらっと見て、時間だからと片手を上げた。
「じゃー、俺先に教室戻る。
またな、和音」
「うん、またね隆」
きっと、隆はもうそのまま帰ってしまう。
だからこれが最後のあいさつ。
また
会えたらいいな
私は、もうしばらく見ることはできない、大好きだった隆の後ろ姿を見送った。