ラッキーナンバー
「俺パス」
後ろの席から、声がして振り返る。
志築くんが物凄い嫌な顔をして低く手を挙げていた。
隆がいなくなってから、志築くんがまた私の後ろの席になったんだ。
「だってこいつの作ったモンなんか食えるわけねーし」
「はーん!?言ったね!!?」
「言ったけど」
毎度毎度むかつくことを言ってくれるわねこの男は。
「せいぜい今自分が言ったことを後悔するがいい…とびきりおいしい料理を、ほっぺたがもげるくらいの料理を作ってみせるから!!!」
「もげるじゃなくて落ちるだろ」
「そっ、そんなことどっちだっていいじゃん!!!」
「あーハイハイそうですねー」
むっ…かつくー!!!
「ま、期待しないで待ってるわ」
「っ…!私はね!!
中学校の時からずっと、家庭科の成績5だったんだからね!!!」