ラッキーナンバー
謎の女、現る
「えぇー!?くーちゃんフッちゃったのお!!?」
「まっ、茉莉華!声大きい!!」
ジロジロと周りの女の子の視線が集まる。
秋の味覚会前日の家庭科室は、明日好きな人に渡す料理を作る人達で溢れていた。
私達はすかさず、家庭科室を出た。
「ごめん、和音
でもなんで?好きだったんじゃないの?くーちゃんのこと」
さっきよりも声のボリュームを少し下げて茉莉華が言う。
「そう、だったんだけど…「ははーん、他に好きな奴でも出来たな、和音ちゃん」
ポンと肩に手を置かれて振り返ると
「あ、アキ」
「アキくんっ!」
そこにはアキくんが立っていた。
「どうしたの?アキ」
「やー、ちょっとお知らせをしに来ようかと」
お知らせ…?
「和音ちゃんは、明日ケーキ作んなよ」
「えっ?」
ケーキ…って、なんで?