ラッキーナンバー
《最終章》
好きだけど嫌い
なんだ…彼女、いたんじゃん
私のこと好きとか言っておいて、結局からかってただけじゃん
「ほんと、あの男最低」
「和音…」
私がぶすっとほっぺたを膨らませて膨れていると、後ろから勢いよく頭を突かれた。
「おいお前昨日帰ったろ、俺に渡すもんあったんじゃねーの」
堂々とそんなことを言う志築くんを一瞬見て、フイッと目を反らす
「別に、私なんかに言わなくても、手作り料理作ってくれる人は他にいるでしょ」
「まぁ確かになー
昨日だって靴箱とか机ん中とか大変なことになってたしな」
「へー、随分とおモテになるんですね」
むかつく…
イライラする…
嫌い
「ひどいよ、志築くん
せっかく和音が今まで特訓して、ようやく食べられるようなケーキ作ったのに…」
茉莉華…
「特訓…?
ぶっ、お前、やっぱり嘘だったんだろ、料理得意とかっ」
そういうことじゃ、ないよ
茉莉華が言ってるのはそう言うことじゃないのに