ラッキーナンバー
《最終章》

好きだけど嫌い

 


なんだ…彼女、いたんじゃん

私のこと好きとか言っておいて、結局からかってただけじゃん



「ほんと、あの男最低」

「和音…」



私がぶすっとほっぺたを膨らませて膨れていると、後ろから勢いよく頭を突かれた。



「おいお前昨日帰ったろ、俺に渡すもんあったんじゃねーの」



堂々とそんなことを言う志築くんを一瞬見て、フイッと目を反らす



「別に、私なんかに言わなくても、手作り料理作ってくれる人は他にいるでしょ」

「まぁ確かになー
昨日だって靴箱とか机ん中とか大変なことになってたしな」

「へー、随分とおモテになるんですね」



むかつく…

イライラする…

嫌い



「ひどいよ、志築くん
せっかく和音が今まで特訓して、ようやく食べられるようなケーキ作ったのに…」



茉莉華…



「特訓…?
ぶっ、お前、やっぱり嘘だったんだろ、料理得意とかっ」



そういうことじゃ、ないよ

茉莉華が言ってるのはそう言うことじゃないのに



< 167 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop