ラッキーナンバー
「じゃ、新しい席の文句は言いだしっぺの坂下によろしく」
先生は片手を挙げてそう言うと、ドアに手をかけた。
「はーい、くじ引きなんで苦情は受け付けませー「聖斗ぉーっ!!!」
先生がドアを開けたのと同時に、廊下に女の人の高い声が響く。
この…声は……
「……なんだぁ?」
先生が顔をしかめてドアから身を乗り出すと、バタバタと足音が近づいてきた。
「あー!なんか先生っぽい人はっけーん!!!」
女の人がひょこっ、と教室のドアから中を覗き込む。
「ハロー!あなたたち、聖斗の教室どこか知らなーい?」
フリフリでフワフワのワンピースを着た20歳くらいの女の人
物凄い美人の登場に、みんなはシーンとしてしまった。
この人、知ってる…
志築くんの、彼女だ。
でも、何でこんな所に…
「つーか、誰ですか」
腕を組みながら、先生が志築くんの彼女を見下ろす。